オランダ大学院の留学日記

オランダの大学院(修士課程)で勉強中の日本人の日記。

海外大学院不合格だったのに交渉したら合格になった話。

 

2月4日

第一志望だったオランダの大学院から、このようなメールが届きました。

 

「We regret to inform you that the Academic Committee on Admissions of Wageningen
University has decided against admitting you to the above mentioned Master programme.」

 

つまり、不合格

英語スコア、学部の成績の要件は満たしているし、SoPもCVも推敲を重ねて提出したのに…

しかもこの大学は、「基準を満たしている学生は全員入学できます」とオフィシャルに言っているんです。

 

正直、英語の要件スコアをとれた=合格だと思っていて不合格は想定していなかったので、このメールを読んだ時はかなり落ち込みました。

 

しかし!

タイトルにもあるように、その後紆余曲折を経て、この大学から合格をもらうことができました。

今回はその過程についてのまとめです。

 

 

 

不合格から合格までのタイムライン

まずは、不合格通知を受け取った日から合格通知をもらった日までの流れ、私が行ったことなどを紹介します。

 

2月4日

本命のプログラム(食品系)から不合格のメールを受け取る。

 

2月5日

出願のサポートをしてもらっていた、大学の日本人窓口の方に結果の報告をする。

Admission Letterに書かれていた内容を元に不合格となった理由を分析し、アピールレターの提出に向けて準備を始める。

※アピールレターとは

国によって制度は異なると思いますが、オランダでは一度大学を不合格になったあと、追加の説明書類などを提出することでもう一度入学審査を行ってもらうことができます。

そのときに提出する、再審査のお願いをするための手紙が「アピールレター」です。

 

2月6日

日本人窓口の方とZOOMで作戦会議。

どういう内容で大学側を説得していくか方向性を決める。不合格になったプログラムと似たような内容の学べる、生物学系のプログラムへの併願を決め、出願書類の準備を始める。

 

2月15〜21日

・アピールレターと追加の説明書類の準備完了。内容を添削してもらって提出。

・併願先のプログラムに出願する。

・他の大学院への併願を始める。

 

3月7日

併願先のプログラムから不合格通知が届く。ここでもアピールレターの準備を始める。

 

3月10日

本命だったプログラムからも2回目の不合格通知が届き、絶望する。

こっちのプログラムではこれ以上説得の余地が無さそうだったので諦める。

併願先にアピールレターを提出する。

 

3月15日

併願先のプログラムに合格!!!

 

 

不合格になった理由

私が合計3回も不合格をいただいてしまった訳は、「学士課程で学んだ内容と出願したプログラムの関連性が低いから」でした。

 

私が所属していた学部・学科は広く浅く学ぶタイプで、環境、生態、土壌、ロボット、食品などかなり広い分野がカリキュラムに入っていました。

もちろん私の卒業研究や修士課程で行いたい研究の内容は、出願したプログラムの内容(食品系、生物系)と一致しています。

しかし学科名や履修科目名を見て、私は十分な事前教育を受けていない、他のプログラムの方が私の学士課程と一致性が高いのでは、と思われてしまったようです。

 

確かに、私の履修科目のうち食品科学・生物学に直接関連する授業はたったの6〜8単位、卒論の分を入れても20単位に満たないくらいだったので、大学側の言い分も理解できます。

十分に食品科学の授業を受けてない(そもそも開講数が少なくて受けられない)のは事実だし、大学院入学後に勉強を頑張ります!!って理屈じゃ通らないだろうし…

どうやって自分の正当性をアピールしていくか悩みました。

 

 

どうやって説得したのか?

本命、併願、ともに不合格となった後で大学へ提出したのは以下の3つの書類です。

※もし需要があれば、今後noteなどで実際の提出書類を公開することも考えています。個人情報が入っているので有料記事という形になるとは思いますが…。もし見たいという人がいればコメントください!

 

 

・アピールレター

これはメールの本文として送りました。

内容をざっくりと日本語で書くと、

 

「あなた方は私の学部教育が不十分だという理由で不合格にしました。しかし、これは誤解です。

確かに私の学部では幅広い分野をカバーしており、食品科学(生物学)とは関連性が低いように見えますが、私はこの2年間、食品科学(生物学)を研究してきました。研究室ではこんなことを研究しており〜(研究内容をざっくりと説明)。

さらに、プログラムへの入学条件となっている履修分野に当てはまる科目もいくつか履修しています。ぜひ柔軟な評価をお願いします。

私の研究内容や履修済み科目の詳細については、添付ファイルをご参照ください。

以上の内容を考慮し、私の入学を再検討していただきたいです。」

 

という感じです。

 

「どうか私を入学させてください!」ではなく「私が不合格になるのはおかしい!」というスタンスでいること、そして理論的に説明することが重要だとアドバイスをいただいたので、そこを意識して書きました。

 

 

・履修科目の説明

食品系、生物学系のプログラムそれぞれにおいて、「こんな分野を学んでいる人が入学の対象です」という科目が指定されていました。

 

例えば併願した生物系の方では

MSc Biotechnology admits only students with a pre-education offering a solid basis in process engineering, gene technology, molecular biology, biochemistry and cell- and/or microbiology.  」

と説明されたので、私の履修科目の中からこの分野にあてはまりそうな授業をピックアップし、それぞれの詳しい授業内容を説明しました。

 

また、私の出身大学とオランダの大学院では1単位あたりに必要とされている勉強時間が異なります。

それも考慮して、「これらの授業は合計で26単位、つまり貴大学での単位数に換算すると41単位に相当します。」という内容も書きました。

 

 

・研究内容の要約

個人的にはこれが一番効いたんじゃないかと思っています。

私は卒業研究として取り組んだテーマの他に2つのテーマに参加していて(その時点では卒業論文で精一杯だったので全部のテーマにがっつり取り組んでいたわけじゃないけど)、合わせて3つ分の研究の要約を送りました。

 

各研究テーマについて1ページ分、図も入れて背景知識のない人にもわかりやすいように書きました。

卒業研究のテーマはすでに結果が出ていたので研究成果をまとめる形で、残りの2つは始まったばかりのテーマだったので研究背景や目標、実際に行っている(行う予定の)実験内容を書きました。

 

これは本当に強運だなと思っているのですが、ちょうど2月末くらいのタイミングで3つめの研究テーマをやってみないかと指導教官に声をかけていただいて、それががっつり生物学的な内容でした。

私の研究室では数学・物理を使った研究が多く、生物学寄りの研究を行っていた先輩はほぼいなかったんですが、本当に偶然、すごく良いタイミングでその研究テーマに参加することができて今でも奇跡だなと思っています。

 

 

不合格から合格になるまでを振り返って

最初に不合格のメールを受け取り、その後も2回不合格となったときはもう諦めかけていました。

もう時期が遅かったので出願を締め切っている大学が多かったんですが、オランダの大学に行けないことを覚悟して、急ピッチで他の大学への出願を進めていました。

 

正直不合格メールをもらうのに慣れてしまっていて、3月15日の朝にメールを受け取ったときも「不合格だろうな…」と思いながら寝ぼけた状態でメールを開いたので、最初は書かれている英語の意味がよくわからず、合格だと気づいてから一気に目が覚めて興奮したのを覚えています。

 

この1ヶ月間は卒論発表などで忙しいタイミングで、そんな中、4月以降の進路がいつまでも決まらないのがとても不安でしんどかったです。

海外大学院をあきらめて国内の大学院(一応院試は受けていました)に進学するならもう手続きのタイムリミットが迫っているし、海外大学院も続々と出願を締め切っていくし…

 

でも結果論にはなってしまいますが、本当に諦めなくてよかったです!

「諦めなければ叶う」と一概に言うことはできないけれど、ダメ元でもいいから何でもやってみることは大切だし、それが叶うことも本当にあるんだなと今回の体験を通して学びました。

 

これはかなりレアなケースだとは思いますが、この体験談がいつか、私と同じように不合格となってしまった受験生の方の希望に少しでもなれれば嬉しいです。

超便利!KMFでTOEFLスピーキングの機械採点を受ける方法

この記事は前回のTOEFL Speaking 勉強法で紹介した、KMFで受けられる機械採点サービスの使い方を詳しく紹介したものです。

 

TOEFLのスピーキングを伸ばしたい人にとっては使わない理由が無いっていうくらいかなり便利なサービスですが、なぜかやり方を日本語で説明してくれている記事が見つからず、私は慣れない中国語に戸惑いながら利用していました。

 

今後、私以外にもこの機能を使いたいっていう人がいるはずなので、この記事でかなり詳しく解説していきます!

 

 

 

1.KMFに登録する

これも中々簡単ではなく、中国のサイトにアクセスするための拡張機能Chromeに追加したり、電話番号の認証があったりとちょっと面倒です。

 

が、KMFへの登録手順についてはTOEFL勉強者の方々が割と常に最新情報をアップしてくれているので、ここでは詳しい説明は省きます。

前回の記事でも紹介したこちらのページが一番詳しく説明してくれていると思うので、ぜひ読んでみてください。

www.path-to-success.net

 

他にも「TOEFL KMF」「TOEFL 中国TPO」などのワードで検索すればKMFへの登録方法がたくさん出てくるので、それらを見ながらやっていけば問題なくできます。

 

 

 

2.Alipay(支付宝)に登録する

KMFは中国のサイトなので、機械採点の料金を払うにはWechatやAlipayを使う必要があります。

 

私は最初Wechatでやってみたんですが、クレジットカードが登録できず諦めました。

中国国内の口座からのチャージ利用が基本なので、日本のカードだと上手くできないようです。

(2021年末時点での状況です。Wechatのサービスも日々更新されているので、いつかできるようになるのかもしれません。)

 

そこで次にAlipayに登録したところ、問題なくクレカを登録できてKMFでの支払いにも使えたので、こっちをおすすめします。

 

ただし、Alipayでは通常のQR決済機能(日本のお店でもつかえるやつ)ではなく、「Tour Pass」という機能を使います。ここだけ注意してください。

Tour Passを使うことで、日本の口座からAlipayへチャージし、Alipayから中国への支払いを行うことができます。

 

Tour Passの使い方についても詳しく説明してくれているサイトがたくさんあるので、そちらを参考にしてください。

www.card-user.net

このサイトがわかりやすかったです。

 

KMFの機械採点は1回分(task1~4)で20元(約360〜390円)かかるので、自分が演習したい回数分だけ事前にお金をチャージしておきましょう。

 

 

 

3.翻訳機能の設定

KMFの画面は中国語だらけです。

初見の人が使うには画面翻訳機能を使わないととっても使いにくいです。

ChromeGoogle翻訳拡張機能を入れて、中国語のページを自動的に英語へ翻訳してくれるように設定しておきましょう。

前回も書きましたが、ここで日本語に翻訳すると意味のわからない訳になることが多いので、英語に翻訳することを強くおすすめします。

 

 

 

4.KMFでスピーキングの問題を解く

KMFAlipayへの登録ができていれば、これ以降は簡単です。

 

※ 実際の私の画面を見せながら説明していきますが、KMFの画面を英語に自動翻訳したページをお見せしているので、人によっては多少見え方が違うかもしれません。

 

まず、KMFのトップページでTOEFLを選び、ログインした後で

「practise」タブから「oral exam」を選びます。

 

 

54個の問題(過去問)が用意されているので、好きなものを選んでください。

番号の小さいものは旧形式のTOEFLに対応していて、スピーキングの問題が6問あったり問題の傾向が現在とは違うことがあるので、まずは最新の問題(ここではOfficial 54)から順に解いていくのをおすすめします。

 

Q2、Q3などの右側にあるペンのマークをクリックするとそのタスクだけを解くことができ、Official 54の右側にある青い「practice set」をクリックすると4タスク全て通して本番のような形式で演習することができます。

機械採点は4タスクセットで受けるので、このpractice setを選びましょう。

 

 

問題演習が始まるとこのように、TOEFL本番っぽい画面に切り替わります。

右上のところで音声のスピードやボリュームを変えたりできます。

ここからは本番とほぼ同じ流れで問題が進んでいくので、英語の説明文を読みながら園主を進めていってください。

 

 

ここでTask 1の始まる前に、録音方法を選択する場合があります。

私は機械採点機能(SpeechRater)をすでに利用しているのでこのように表示されましたが、初めての場合は何もないかもしれません。

もしこんな画面が表示されたら、みなさんパソコンでKMFを利用していると思うので「computer recording」を選択してください。

 

 

また、1つタスクを終えると、録音した音声データが自動的に送信されます。

これに1分ほど時間がかかることがあり、その間はcontinueボタンを押しても次のタスクに進めませんが、待っていれば自動的に次のタスクに進むので気長に待ちましょう。

 

 

 

5.SpeechRaterの支払い

Task 4まで解き終わるとこのような画面に移ります。ここで「Start SpeechRater scoring」を選択します。

※ もしかしたら初回の方は別の表示がされるかもしれませんが、「SpeechRaterを使う」的な案内に沿っていけば大丈夫です。

 

 

するとこのようにお金のチャージが求められるので、「to pay」を選択します。

 

 

請求画面が出てくるので、5元×4タスク分になっていることを確認して「submit orders」をクリックします。

 

 

支払い方法を選びます。

Alipayを選択して「pay immediately」をクリックしてください。

 

 

するとこのようにQRコードが表示されます。

ここで、AlipayスマホアプリからTour Passを開き、QRコードスキャン(Scan- to-Pay)をタップしてパソコン画面のQRコードを読み取ります。

これで支払いが完了です。

 

機械採点の結果は支払い後すぐに見れる訳ではなく、少し時間がかかります。

私のときは3~5分程度かかったような気がします。

 

 

6.採点結果を確認する

実際の採点結果画面がこちらです。

 

一番上の「2.5 points」は、Task 1~4の平均点が2.5点であることを表しています。

そのすぐ下に書いてある「19~23分」がセクションスコアの目安です。

スピーキングでは各タスクで平均3点をとるとセクションスコアが23点に換算されるので、平均2.5点の場合は19~23点の幅に当てはまるという計算です。

 

その下では各タスクでの点数を確認し、自分の録音を再度聞くことができます。

また、一番右の「Report on this topic」をクリックすると、そのタスクの問題(文章、音声)を復習したり、同じ問題で高得点をとった他のユーザーの解答音声を聞いたりできます。

ここで高得点をとるにはどんな解答をすればいいのか学ぶことができるので、たくさんの人の解答を聞き、自分の解答と比較して、見つかった改善点を次に繋げていくといった使い方がとってもおすすめです。

 

 

さらに画面を下にスクロールすると、このように全体の講評を見ることができます。

 

Fluency, Pronunciation, Vocabulary, Discourse, Grammarの5項目のバランスが見れるので、自分の話し方の弱点がわかります。

また、その下の「Detailed report analysis」では5項目それぞれについてさらに細かく分析した結果を見れます。

 

 

7.最後に

KMFの機械採点機能を使うメリットは大きく2つあります。

 

1つは、自分の現在の立ち位置を知ることができるということ。

 

TOEFLのスピーキングを独学していると、25000円もかかる本番のテスト以外で自分の解答にフィードバックをもらうことができません。

そのため普段の勉強では自分で模範解答と録音を比較し、自分なりに採点し、手探りで正解を探していくことになります。

しかしこの方法では、特に点数が伸び悩んでいるときに「このままの勉強で大丈夫だろうか…と」不安を抱えやすいです。私もそうでした。

 

しかし機械採点を受けることで、リーディングやリスニングと同様に、ある程度正確な答え合わせをできるようになります。

「正解がわからない(正解が1つではない)」というのが難しさの1つであるスピーキングセクションでは、たとえ目安であっても、自分の点数が可視化されるというのは大きなメリットになるのではないでしょうか。

 

 

 

2つめは、自分のスピーキング能力を徹底的に分析できること。

 

実際のTOEFLテストではセクションスコアしかわからないですし、自分の解答を聞き直すこともできませんが、KMFではすごく丁寧な自己分析ができます。

 

各タスクの点数、そしてスピーキングの5技能の評価を見ることで、どのタスクを重点的に勉強するべきか、そして自分の話し方のどこを直すべきか明確にわかります。

さらに、高得点をとった他のユーザーの解答音声をたくさん聞くことができるので、それと自分を比較することでも改善点がたくさん見つかります。

 

普通はTOEFL専門塾に通ったりしないとできないこんな自己分析が、KMFを使うことで1回400円もかからずにできて超お得です。

 

よく言われていることですが、勉強において問題を解きっぱなしにするのには何の意味も無くて、復習こそが勉強の最重要ポイントです。

なので自分のスピーキングスコアを確認したあとはそれだけで満足せず、徹底的に分析と復習をしましょう。

KMFでは丁寧なフィードバックがあるので、それを有効活用すれば十分すぎるくらい勉強になります。

 

 

 

以上が、KMFを使った機械採点の方法紹介でした!

なるべく丁寧に説明したので、TOEFLの勉強をしている方の参考になれば嬉しいです。

ぜひ皆さんもKMFでスピーキングの機械採点を受けてみてください!

【17点→22点】TOEFL Speakingの勉強法

私の志望していた海外大学院の出願に必要なTOEFLスコアは

80点(スピーキングで20点)でした。

 

このスピーキングで20点を超えるというのが想像の10倍は難しくて、何回もテストを受け直したし、途中で挫折しそうになりました。

勉強しても成績が伸びないという経験はあまり無かったのですが、TOEFLのスピーキングは久しぶりにそんな状態で、とにかく精神的につらかったです。

 

しかし、8ヶ月間の勉強を経てなんとかスピーキングスコアを達成することができました!

そこで今回はスコア達成までに行った勉強法を詳しく説明していきます。

いまTOEFLを勉強中で、スピーキングのスコアが伸びず悩んでいる人がいたら、ぜひやってみてください。

 

 

スコアの推移

前回の記事でもすべてのスコアの推移を紹介していますが、スピーキングに絞ってもう一度お見せします。

 

4/14 17点

8/7 19点

10/9 17点

10/23 18点

12/18 22点

 

8/7の試験では運良く答えやすい内容が出て19点とれたものの、半年間ずっと17点〜18点で停滞していました。

スピーキングの勉強は正解がわからない、時間制限が厳しいのでテンパって何も答えられない、ボロボロな自分の解答を見直すのがしんどい、などの理由から後回しにしていて、本格的に勉強し始めたのは10月ごろからです。

 

 

使用した教材と勉強法

 

TOEFLテスト集中攻略スピーキング

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www.amazon.co.jp

 

私がメインで使っていたのはこの参考書です。

 

Task 1~4 それぞれについて問題の分析と対策、練習問題、模範解答がまとめられています。

さらに、それぞれのタスクで使える重要表現100フレーズ、トピック別の演習問題、模擬テストも載っているため、とりあえずこの1冊があれば一通り勉強できると思います。

 

そして他の参考書にはあまり無い、本書のイチオシポイントは

3〜0点のサンプル解答と講評が載っている

ということです。

 

多くの本では、参考書なので当然ではあるんですが、「正解」しか載っていません。

しかし、日本人の私達がTOEFLのスピーキングで「正解」= 4点をとるのはかなり難しいです。

問題文を見せられ、たった15秒の準備時間で解答をまとめ、45秒間で論理的に解答するなんて、日本語でも難しいのに英語でするなんて普通の人には無理です。

 

なので、スピーキングで満点をとる必要があるような人以外は、各タスクごとに目標点を決めて3点前後を目指していくことが多いのではないでしょうか。

全タスクの平均点が3点の場合、合計点は23点となります。

私の場合は20点以上が必要だったので、基本的に全タスクで3点を目指して勉強していました。

このとき、4点満点の解答しか載っていない参考書だと、自分の目指すべきレベルがわからないまま勉強することになってしまうので、私は3点の解答が載っている本書を選びました。

 

それに、4点の解答を聞いてみると「自分がこのレベルに到達するのは無理だ…」という気持ちになりますが、3点の解答は言葉に詰まったり文法ミスが多少あっても意味が伝わればOKで、案外頑張ればできそうなレベルに思えるはずです。

完璧な解答をしようと気張りすぎると変に難しい内容を言おうとして結果的に意味不明な文章になったり、頭がテンパって発音がボロボロになったりします。

「自分の目指すべきレベルを決め、そこに的を絞って勉強する」

ということがかなり大事なため、本書のように3点以下の模範解答が載っている参考書を選ぶことをおすすめします。

 

 

 

四軒家英語塾オンラインサロン

こちらはTOEFLのベテラン有名講師である四軒家忍先生が開いているオンラインサロンです。

月額たったの1000円、しかも最初の2週間はお試しとして無料!

サロンはほぼ毎日更新されていて、四軒家先生がTOEFL関連知識や簡単なクイズを投稿してくれたり、他の学習者の方がTOEFL受験報告をしていたりと充実しています。

詳しい内容はしけんや英語塾のサイトから見れます。

 

特に私が利用してよかったのは、不定期で開催される勉強会です。

4技能それぞれについて時々開催され、形式はその時によって様々です。

公式問題集を使って問題演習をしたのちに先生が解答のポイントを説明してくれたり、参加者同士でスピーキングの解答を発表し合って先生に添削してもらったり、宿題として出された問題への解答を送ると丁寧なフィードバックを返してくれたり…

1000円のクオリティではないですよね。笑

 

それぞれの勉強会の参加者はそこまで多くなく5人〜8人程度のことが多かったです。

そして私のように3点を目指している人から、4点をとる必要がある人まで、それぞれのレベルに合ったアドバイスをもらえるのでとても参考になります。

プロの添削を受けるためには普通であれば高い受講料が必要なので貧乏な学生には厳しいですが、このオンラインサロンでも十分添削を受けることができてすごく助かりました。

さらに私が入会していたときは、四軒家先生がスピーキングの各タスクについて実際の問題を解きながら詳しく解説する動画を公開していて、私は何回も繰り返し視聴しました。

また勉強会でなくても、自分で勉強していてわからないことがあったときに先生にメッセージを送ると教えてくれて、サポートの手厚さに感動したのを覚えています。

 

このように、日々の投稿やアドバイスからは四軒家先生のTOEFL受験生をサポートしようという思いがとても感じられて、サロンに入っているだけでも勉強のモチベーションが上がりました。

また、独学で勉強しているとアウトプットしてそれに意見をもらうような機会はほとんどありませんが、このオンラインサロンでは結構高頻度で勉強会やクイズなどアウトプットの機会があるので、独学でTOEFLを勉強している人にはぜひ利用してもらいたいです!

 

先生のツイッターなど各SNSTOEFL受験者に有益な情報がいっぱいあるので、チェックしてみてください。

 

 

KMF

TOEFL受験者の間では有名な、中国のTOEFL対策勉強サイト

中国語なので最初は使い方が難しいかもしれませんが、日本語で使い方を説明してくれているサイトもいくつかあるので、それを見れば案外簡単に利用できます。

 

私はこのサイトを参考にしました。

完全無料でTOEFL勉強!?中国TPOの使い方徹底解説

 

KMFは基本的に中国語ですが、Google翻訳拡張機能を使えば、webページ全体を自動で翻訳してくれます。

中国語→日本語だと変な訳になることが多いので、中国語→英語にするのがおすすめ。

この翻訳機能もググればやり方が紹介されているし、簡単に設定できます。

海外大学受験者なら特に、KMF以外でも外国語のサイトを読む機会が多いと思うので、ぜひインストールしましょう。ドイツ語とかオランダ語とかのページを読むときに大活躍です。

 

このKMFというサイトにはTOEFLの過去問が大量に載っており、本番と同じ形式で、ほぼ無限に過去問演習をすることが可能です。

簡単ですが解説もついています。

 

そして私が一番利用したのが、スピーキングの自動採点機能です。

サイトいわく、TOEFL本番でも使われる機械採点と同じものを提供しているそうです。

これは独学でTOEFLを勉強している人にはかなりおすすめのサービスです。

 

私もそうだったのですが、答えが1つに決まっているリーディングやリスニングと比べて、スピーキングとライティングは「自分がいま何点なのかわからない」ことが一番のネックになるのではないでしょうか。

模範解答を読んで大体の点数を予想することはできますが、第三者に点数をつけてもらうことで、トライ&エラーを繰り返すことができます。

「この答え方でやってみよう」→「少しだけスコアが伸びた!」→「じゃあこの方法で大丈夫そうだ」→「今度はスコアが少し下がった」→「前回までと比べてどこが弱かったんだろう??」

というように、微妙なスコアの変化を知ることができるので、自然とTOEFLで求められている解答に近づくことができます。

 

私の場合、本番と同じように一発撮りで録音した解答だけでなく、何回も言い直して自分の中でのベスト解答を作ったものの添削も行いました。

そうすることで、自分に一番合った模範解答を得ることができるからです。

自分の発音の癖、文法の弱点、内容の構成などを踏まえて、どんな内容で、どんなスピードで話せば高得点が出るのかを研究できるので、一般的な模範解答に寄せていくよりも効率よく点数を伸ばせると思います。

 

しかもKMFでは同じ問題で高得点をとった人の解答音声が公開されているので、模範解答を聴き放題!

利用者はほぼノンネイティブなため発音や文法も完璧ではないのですが、だからこそ、ノンネイティブが高得点をとるにはどうすればいいのかというお手本になります。

 

一つ注意として、この自動採点機能の利用手順はかなり複雑です。

スピーキングテスト1回分(4タスク)の採点には20元(約380円)かかり、その支払いのためにAlipayなどを利用する必要があってややこしかったです(2021年12月時点)。

この機能の詳しい使い方、実際の添削結果などはまた別の記事で紹介しますので、ぜひそちらを参考にしてください!

 

 

 

まとめ

私がスピーキングの勉強に利用したのは以上の3つの教材・サービスです。

最初に紹介した参考書で基礎を固め、後半2つのサービスを利用してアウトプット型の練習を積んだことでスコアが大きく伸びました。

スピーキングの勉強ではインプットとアウトプットどちらもバランス良く行うことが大切です。

もし、いま参考書だけで勉強していてスコアが伸びない人がいたら、ぜひアウトプットの機会を増やしてみてください。

あくまでも私の例ですが、この勉強法が参考になれば嬉しいです!

 

 

【76点→93点】留学のためのTOEFL勉強法

海外留学においてほぼ必ず必要になるのが英語のスコア。

私はなかなか目標点を達成できずたくさん苦労してきました。

 

今回は、そんな私が留学の要件スコアを獲得するまでに行った勉強の概要とアドバイスを紹介していきます。

 

*記事が長くなってしまったので、具体的な勉強法については別の記事にまとめていきます。

 

 

 

IELTSかTOEFL

日本から英語圏への留学ではIELTSかTOEFLを使う人が多いと思いますが、私はTOEFLを選びました。

 

その第一の理由は、「私の居住地域ではIELTS試験がめったに開催されないこと」です。

IELTSは東京や大阪だと頻繁に受けられるのですが、それ以外の地域だと年に数回といったレベルだと思います。

私は留学のために英語試験を受け始めたのが遅かったので、必要なスコアを取るまでに何回か受験する必要があると思い、受験しやすいTOEFLにしました。

 

しかし、1回だけIELTSを受験したことがあります。その時はTOEFLと比べて楽すぎてびっくりしました笑

もちろんTOEFLより難しい部分もあるとは思いますが、リーディングもリスニングも文章の内容が易しめに感じました。

なので、東京や大阪に住んでいる人、スコア準備に余裕があるなど人は、IELTSを選ぶのも良いと思います。両方の過去問を解いてみればそれぞれの雰囲気の違いがわかるはずです。

 

一方、TOEFLはコロナ流行を受けて「Home Edition」というオンライン試験を実施しています(2022年3月現在)。

これは自宅のパソコンから試験を受けられるというもので、なんとほぼ毎日、好きな時間に受験することができます。

試験会場が遠い人、出願締め切り間近で要件スコアまであと少しの人などにはとても便利だと思います。

 

このように、IELTSもTOEFLもそれぞれメリット・デメリットがあります。

色んなサイトで「IELTSとTOEFLどっちを選ぶべき!?」みたいな記事がありますが、正直どっちを選ぶのかよりも、

 

早めにどっちを受けるのか決めて対策を初める

それぞれの試験にあった勉強をしっかり行う

 

ことが大事なので、あまり策略的になりすぎずに選んだらいいと思います。

 

 

 

初期スペックとスコア推移

TOEFL対策を始める前、2021年の1月、2月あたりはTOEICの勉強をしていました。

これは海外大学院と併願して受ける国内大学院の出願に必要だったためです。

 

2/28に初めて試験を受け、その時のスコアは910点(リスニング450、リーディング460)でした。

 

正直自分でもこんな高得点取れるとは思ってなかったんですが、コロナ禍でバイトが減り、元々履修している授業も少なかったのでとても暇で、勉強時間がかなり確保できていたお陰だと思います。

 

さて、TOEICで高得点をとれた私は「TOEFLも楽勝なんじゃないか?」と調子に乗っていましたが、実際はそんなことは全く無く、しっかりと苦しい思いをしました。

 

ちなみに必要だったスコアは80点(スピーキングで20点)です。

合計80点というのはそこまで難しくないんですが、スピーキングが難しすぎて20点の壁を超えるのに8ヶ月もかかってしまいました…。

 

そんなスコアの推移がこちらです。

 

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合計スコアの推移

 

4/14

R 18、L 24、S 17、W 17 合計76

 

8/7

R 27、L 22、S 19、W 20 合計88

 

10/9

R 29、L 23、S 17、W16 合計85

 

10/23

R 24、L 26、S 18、W 19 合計87

 

12/18

R 22、L 25、S 22、W 24 合計93 

 

 

一番最初、4月に受験したときは「TOEFLってこんなに難しいんだ…」と驚きました。

しかしTOEIC 900点レベルの人の初受験TOEFLの点数は、試験慣れしていないことも加味したらこんなもんらしいです。

 

練習と本番では環境の違い(キーボードの使いやすさ、画面の見やすさ、周りの受験者の音、緊張感など)がかなりあるので、初回はどうしてもスコアが低くなり、2回目以降が勝負という感じのようです。

 

そして最初の方はTOEIC勉強の貯金もありリーディング、リスニングが得意で高得点が取れていたのですが、日本人なら誰しも苦戦するであろうスピーキング、ライティングが中々伸びませんでした。

 

10月から12月はアウトプット型の勉強に全振りしていたせいかリーディング、リスニングの点数が下がってしまったのが悔しいですが、そのお陰で12月にはスピーキングとライティングどちらも高得点をとることができました。

 

 

 

しくじり先生 私みたいになるな!!

結果的に必要なスコアをとり出願できた私ですが、今思えばこうすれば良かった…ということがいくつかあるので、今後受験する方の参考のためにまとめました。

 

 

1.がむしゃらに受験しすぎない

 

これは10月ごろの私です。笑

もう大学の出願が始まっているのに、未だスコアをとれず、何なら点数の下がっているセクションもあり、かなり焦っていました。

そのせいで10月は2回受験したんですが、正直これは失敗だったなと思います。

 

なぜなら、2,3週間程度(スコア返却後からで数えたらほぼ1週間ちょっと)の勉強で大幅なスコア上昇は見込めないからです。

 

もちろん、問題との相性など運要素も若干あるので、短期間でたくさん受けて数点は伸びると思います。

 

しかし、スピーキングを17点から20点に伸ばすのは、15点から18点に伸ばすのと比べてかなり大変です。

これは他のセクションでも同じで、ある程度高得点取れている人がそこからもう一段階上のレベルにいくのには相当の労力が必要です。

 

なので、十分な対策期間がとれないのにがむしゃらに受験回数だけ増やすのはおすすめしません。

 

 

2.IELTSに浮気しない

 

これも11月に焦りすぎてやってしまいました…。

半年もTOEFLを勉強しているのにスピーキングが伸びず、「やっぱり私はTOEFLじゃなくてIELTSが向いているのでは??」と考えた私は、なんと飛行機でわざわざ東京へ行き、十分な勉強もしないままIELTSを受験しました。

 

当然、必要なスコアをとることはできず、飛行機代と宿代と受験料が無駄になってしまいました。泣

 

出願まで時間の余裕がある人が、数回TOEFLを受けてみたけど合わないなと感じてIELTSに変えるのは全然ありだと思います。

また、大学側の要件スコアの換算がテキトーで、TOEFLだと100点必要なのにIELTSは6.5で良いみたいな場合もIELTSへ乗り換えるのは良い作戦だと思います。

 

しかし、私のように時間もなく、すでに半年勉強してきている人はIELTSに浮気せず、TOEFLで粘るべきです。

 

それぞれの試験ごとに必要な勉強は微妙に変わってくるし、ある程度慣れも必要なので、TOEFLからIELTSに変えたからといっていきなり高得点が取れることはまず無いでしょう。

 

 

3.バランス良く勉強する

 

これは最後の方でインプット型勉強をさぼり、得意なはずのリーディングの点数を大幅に下げてしまった経験からです。

大学の要件を満たすという意味では全然大丈夫なんですが、TOEFLの点数は奨学金の応募などにも使うので、高得点をとるのに越したことはないです。

 

私は11月はスピーキング7割、ライティング3割、リーディングとリスニング0割のような配分で勉強しました。

そのせいか、12月の試験ではリーディングの長文を読んでいる途中で集中力が切れてしまい、時間配分もうまくいかず、22点しかとれませんでした(最高は29点)。

 

リスニングについては、スピーキングとライティングの勉強の中で使う部分が多いのでそこまで下がりませんでしたが、リーディングはブランクが空くとだめです。

 

寝る前に英単語を確認する、週に数時間はリーディングの過去問を解くなど、少しでいいので勉強時間を確保し、リーディング能力をせめて現状維持はできるようにした方がいいと思います。

 

 

 

 

 

今回はここまでです!

詳しい勉強法はまた紹介しようと思うので、そちらもぜひ参考にしてください。